パンは悪くない
パンは悪くない
そう言うと、
違和感を持つ人もいると思う。
そう言う私は、
ご飯が大好きで、ほとんどパンを食べない人間だった。
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4月も終盤に差し掛かり、
暑い日差しが差し、汗ばむ日が多くなってきた。
庭先の麦の穂も顔を出して、
春の風に気持ちよく揺れている。
さて、パン屋を始めて10ヶ月。
なぜ古代小麦パンを始めたのかをお伝えしたい。
私はもともと、パンが好きなわけでもなかった。
ある日突然、頭の右斜45度の少し離れたところくらいに降りてきた。
思い立ったら即行動の私たちは、
すぐにパンを焼き始める事になる。
30年も大工をしてきたので、
他の世界を知らない私からすれば、
大きな挑戦だった。
本質を追いたい私は、フランスでのインターンを経験し、その後の2025年6月にトロワパンを開業したのである。
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最近は、小麦粉、油、砂糖、乳製品の四毒やグルテンフリーなどの言葉がもてはやされ、
人々は小麦粉を使わない、米粉パンや米粉の製品が増え、
そして、その製品を扱うパン屋さんやお菓子屋さんも増えた。
なぜ、小麦粉が端へと追いやられたのだろうか。
近年、身体の不調との関係を感じている人が増えているのかもしれない。
しかし、その対象が小麦粉全般に向いていることに、
少し違和感を感じている。
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小麦が栽培され始め12000年ほどになるが、
現代までに、14本の染色体から42本まで変化を遂げた。
その過程で、パンが膨らむように品種改良が進み、
その影響でグルテンも粘りの強いものへと変化してきた。
そのグルテンが、身体に合わないと感じる人が増えている。
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幸せの元は健康。
健康の元は腸である。
私たちの家族の暮らしでの食事は、
もちろん生きていく為の食事なのだが、
腸内細菌に餌をやる感覚で食事をしていて、
食物繊維が多いものを選び、
中でも水溶性食物繊維をできるだけ摂るように心がけている。
添加物などはできるだけ避けたいと考えている。
私たちは、「パン」と頭に降りてきた時から、
古代小麦一択で決めていた。
なぜなら、グルテン量が比較的少なく、
品種改良が進んでいないため、
身体に入りやすいと感じるからだ。
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さらに、現代の小麦粉で言うと、
産業革命以降、製粉技術が向上し、
製粉業者は小麦粉から胚芽や外皮を取り除くことで、
保存期間が長くなることに気づいた。
その結果、白く長く保存できる小麦粉が主流となり、
本来含まれていたものが取り除かれた粉になっていった。
腸のことを考えると、
少し気になる小麦粉が多く流通しているようにも感じている。
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あと、本場フランスのパンといえば「ルヴァン」である。
ルヴァンとは、水と粉だけを使い発酵させる酵母のことだが、
酵母だけでなく乳酸菌も一緒に働いている。
その乳酸菌がゆっくり酸を出すことで、
生地の状態が少しずつ変わっていく。
時間をかけることで、
生地が落ち着いていくイメージだ。
一方で、近年のパン作りはイーストで作ることが多い。
短時間で発酵させるため、
生地が十分に変化する前に焼き上げることも多い。
そのため、グルテンも強い状態のまま残りやすい。
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現代、小麦粉=悪
そんな空気もある。
しかし私が思うに、
小麦粉そのものが悪いのではなく、
品種や精製のあり方、
そして作り方に理由があるのではないかと思う。
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パンは悪くない。
そう思っている。
だから私は、
パンをやめていた人が、
もう一度食べられるパンを焼いている。



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